資料 「ジャケット転用記録」 [資料]

FTD「Standing Room Only」のライナーノーツにあるように、
結局お蔵入りとなったLP「Standing Room Only」のジャケットが、
LP「Elvis as Recorded at Madison Square Garden」に流用されました。

FTD「Standing Room Only」のCDブックレットとLPジャケットに載せられた
当時の資料を読み解いてみます。

20091205-01.jpg

↑ デジカメ撮影した不鮮明な画像(笑)を御覧下さい。
どうやら白い書類は、1972年5月に発行された
「LPジャケット依頼、もしくは完成」を報告した書類だったようなのです。

【白い書類の再チェック】
1.前回一部しか見えなかったメインの部分は、予想通りに

      Elvis
    STANDING ROOM ONLY
            Recorded Live - On Tour

になっていました。
そしてこの「アルバムタイトル」が書かれたメイン欄をよく見直してみると
上部に「Cover Copy」とか「Song Titles On Cover」と書かれていて、
この欄は単純に「アルバムタイトル」だけを残す場所なのではなくて
アルバムジャケットに載せられる「タイトル」や「曲目リスト」を
記録する場所だったようなのです。

2.広く取られたメイン欄のすぐ下には「Product Concept」の欄があり
前半部分が隠されていて

  ????ns performed on his tour.

と書かれています。この書類が発行された時点で「Standing Room Only」は
「まだ」、ライブアルバムだったことが分かりますね。

3.またその下には「Specific Cover Approach and Number of Colors」の欄があり、
前半部分が隠されていて

   ????? between George Estes and Joan Deary.
   ?????ure in Art 5/8/72.

と書かれています。
どうやらジャケット・デザインに関する記録を残す欄のようですね。
「Joan Deary」は1972年当時のエルヴィス担当プロデューサーですが
「George Estes」とはいったい誰なのでしょうか?
→ 調べてみたら「George Estes」は、
1966年度グラミー「Graphic Arts」賞を獲得したデザイナーのようでした。
http://en.wikipedia.org/wiki/Grammy_Award_for_Best_Recording_Package

【頭をひねる】
さて、LP「Standing Room Only」のジャケットからもたらされた
3つの条件をもとに、当時の様子を想像してみましょう。

まず最初に前回の調査結果で訂正すべき点は「白い書類は最初の1枚」説です。
これは5月の報告書のようですから、
この書類の前に最低1枚「企画立ち上げ書」が存在するでしょうし
この他にも「延期」を報告した黄色い書類がもう1枚存在するはずなんです。

また、デザイナー「George Estes」が、
「Standing Room Only」のアルバム・ジャケットに関し、
  1.「Joan Deary」から依頼を受けたのか、
  2.ジャケットの完成を「Joan Deary」に報告したのか
それらのどちらであっても、
1972年4月8日の録音が失敗に終わっていた5月8日に
「Recorded Live - On Tour」の文字が
アルバムタイトル(ジャケットに掲げられる文字)に加えられていますし、
それを訂正する記述が見られませんので
この時点(1972年5月8日)には、まだアルバム「Standing Room Only」が
「2月ライブ+3月スタジオ」に企画変更されていなかったことが想像できるわけです。
コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

3 in 1 なんですWhat'd I Say (Rare T.. ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。